世界史 1 - グラディエーター ( Gladiator )
2000年に公開された『グラディエーター』。
帝政ローマを描いた作品で、アカデミー賞作品賞やゴールデングローブ賞ドラマ部門作品賞を受賞するなど高い評価を得ている。
(ちなみに私は映画部で見るまで知りませんでした)
ローマの歴史は大雑把に分けると、
王政 (BC753~BC509) → 共和制 (BC509~BC27) → 帝政 (BC27~) となっていて
その後 ローマは 東西分裂(AD395) し、
西ローマ帝国(~AD476) と 東ローマ帝国(~AD1453) となる。
王政とは?
- 一人の王が絶対的な権力を持っている
- 王の一存で物事が決められる
- 悪い王だと国が亡びる
-
王政最後の王がした以下のことにより、王政が終わる
- 前王派の議員を皆殺し
- 他国と同盟を結んだ結果、国民に属国になったと勘違いさせてしまった
- 王の息子が他人の妻を襲う
共和制とは?
- 君主が存在しない国家 (現代日本は天皇が君主なので共和制ではない)
- 日本の場合は天皇に政治的権力はないので「民主制」である
- 国のトップ(元首)を国民から選ぶ
- 国民から選ぶだけで,元首による独裁もありうる
- 属州・属国という考え方
- それぞれの国に自治を認めるもののローマに税を納める必要あり
- アッピア街道の建設
- 「全ての道はローマに通ず」とまで言わせた道
-
属州や属国の人間がローマ市民権を求めて反乱(ついでに剣闘士も反乱)し、共和制も終わる
帝政とは?
- 世襲制の皇帝による属国支配
- 皇帝は国王を統べるものというイメージ
- 形式上は「皇帝」=元首なので,ローマ市民の支持が必要
- 市民の支持がない皇帝はすぐ死んだ(暗殺,自殺,事故死…)
- 一応共和制の体でいく
- ローマ市民の代表なのでローマに支配された国の人でもなれた
帝政ローマの時代区分
・ユリウス・クラディウス朝 (約100年、5人の皇帝)
・5賢帝+αの時代 (96~192)
- アウレリウス(最後の五賢帝)以外は実子がおらず養子を帝位に
- 実質的な元首性(共和制)の復古
- この時代が映画の舞台!
以下ネタバレのオンパレードなので注意!
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映画構造 1 - バグダッド・カフェ ( Out of Rosenheim )
今日は映画構造について。
映画は基本的に、
・第一幕 発端(設定)
・第二幕 中盤(対立、葛藤)
・第三幕 結末(解決)
の三幕構成である。
《第一幕 設定(セットアップ)》
誰が何をするのか主人公の目的、世界観の説明
物語のつかみとなる事件が起き、主人公がなにをすべきか動機付け
セントラルクエスチョン
- 巨人があらわれたのはなぜ?
- 犯人を捕まえられるか?
- 逃げ切れるのか?
《第一幕から第二幕へ転換部分》
ターニングポイント
- セントラルクエスチョンを再度提示
- 主人公が態度を表明
- ストーリーを新たな方向に向かわせる出来事
《第二幕 対立、葛藤》
主人公が目的を達成するためにその障害と対立する
ミッドポイント
- ストーリーが大きく転換する重要な事件
- 事件の概要が明らかになってくる
- 主人公の危険が上がる
サブプロット
- 物語の本筋の中に挿入していく短いストーリーのこと
- ラブストーリーが多い
- サブプロットにも発端、中盤、解決の構成あり
《第三幕 解決》
ピンチ→クライマックス→完全解決→エンディング
第1幕で出されたセントラルクエスチョンの答が明かされる
クライマックス後はレゾリューション(解決)が続き、残された問題が片付けられる
ここからバグダッド・カフェのネタバレ有!
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